家を建てる際の諸費用はいくら?相場・内訳・節約術を全解説

夢のマイホーム計画で、多くの人が最初に思い浮かべるのは建物本体の価格かもしれません。

しかし、家を建てる際には建物本体価格以外にもさまざまな費用が発生します。

この、家を建てる際の諸費用を正確に把握していないと、「予算を大幅にオーバーしてしまった」「現金が足りず、理想の設備を諦めざるを得なかった」といった事態に陥りかねません。

家を建てる際の諸費用の相場や内訳、そして支払いのタイミングを事前に知っておくことは、後悔しない家づくりのための必須知識です。

注文住宅を建てる場合、土地ありか土地なしかで総額や必要な項目も変わってきます。

具体的には、土地購入に伴う仲介手数料や手付金、不動産取得税などの税金、建物の登記費用や保険料、住宅ローンを組むための手数料、さらには地鎮祭の費用や、忘れてはならない付帯工事費も必要です。

これらの費用はいつ、誰に支払うのか、そして現金で用意すべき金額の目安はいくらなのか、つなぎ融資とは何か、といった疑問が次々と湧いてくることでしょう。

この記事では、家を建てる際の諸費用に関するあらゆる疑問を解消するため、その目安から詳細な内訳、支払いタイミング、そして賢い節約術までを網羅的に解説します。

しっかりとした資金計画を立てるためのシミュレーションの重要性や、頭金の割合、別途工事費や引っ越し代、家具家電購入費まで含めた予算の考え方についても触れていきます。

家づくりという大きなプロジェクトを成功に導くため、まずは諸費用の全体像を掴むことから始めましょう。

この記事で分かる事、ポイント
    • 家を建てる際の諸費用の相場と総額に占める割合
    • 土地購入から建物完成までにかかる費用の詳しい内訳
    • 住宅ローン契約時に必要な手数料や保証料の種類と金額

* 登記や保険など、手続きに必須な費用の詳細

  • 諸費用を支払うタイミングと具体的な資金計画の立て方
  • 現金で準備すべき費用と、その金額の目安
  • 見落としがちな費用を賢く抑えるための具体的な節約術

 

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家を建てる際の諸費用の相場と内訳を解説

この章のポイント
  • 諸費用の目安は建築費総額の1割程度
  • 土地購入時にかかる仲介手数料や税金
  • 建物本体以外に必要な付帯工事費
  • 住宅ローン借入時の手数料や保証料
  • 登記費用や火災保険料などの手続き費用

家づくりを始めるにあたり、最も気になるのが「お金」の問題です。

特に、建物本体の価格以外にどれくらいの費用がかかるのか、という「諸費用」は、計画全体の予算を左右する重要な要素となります。

この章では、家を建てる際の諸費用の全体像を掴むために、その相場観から具体的な内訳までを一つひとつ丁寧に解説していきます。

土地の購入から建物の完成、そして入居に至るまで、どのような費用が、どのくらい必要なのかを事前に知ることで、安心して家づくりを進めることができるでしょう。

資金計画で失敗しないためにも、まずは基本となる知識をしっかりと身につけましょう。

諸費用の目安は建築費総額の1割程度

家を建てる際の諸費用と一言で言っても、その内容は多岐にわたります。

まず大まかな目安として、諸費用の総額は「建築費総額の1割程度」と考えておくと良いでしょう。

ただし、これは土地をすでに所有している場合(土地あり)のケースです。

新たに土地を購入して家を建てる場合(土地なし)は、土地の購入費用に対しても諸費用がかかるため、「土地購入費+建築費」の総額に対して10%~12%程度が目安となります。

例えば、建物本体価格が2,500万円の場合、諸費用は約250万円が一つの目安になります。

土地も購入し、土地代が1,500万円、建物代が2,500万円で総額4,000万円だった場合、諸費用は400万円~480万円程度を見ておく必要があるということです。

では、そもそも家づくりにかかる費用はどのように分類されるのでしょうか。

一般的に、家づくりの総費用は以下の3つに大別されます。

  1. 建物本体工事費
  2. 付帯工事費(別途工事費)
  3. 諸費用

「建物本体工事費」は、文字通り家の建物そのものを建てるための費用で、総費用の約70%~80%を占めます。

次に「付帯工事費(別途工事費)」は、建物以外の工事にかかる費用で、総費用の約15%~20%です。

そして「諸費用」が、残りの約5%~10%を占めるという構成です。

重要なのは、広告などで目にする「坪単価」や「本体価格」には、付帯工事費や諸費用が含まれていないケースがほとんどだということです。

そのため、本体価格だけを見て予算を組んでしまうと、後から次々と発生する費用に驚き、計画の見直しを迫られることになりかねません。

この諸費用の割合はあくまで一般的な目安であり、土地の条件、建物の規模、利用する住宅ローンの種類などによって変動します。

したがって、早い段階で住宅会社やファイナンシャルプランナーに相談し、ご自身の計画に合わせた具体的な資金計画を立てることが、予算オーバーを防ぐための鍵となります。

土地購入時にかかる仲介手数料や税金

土地なしで家を建てる場合、まず最初に大きな費用が発生するのが土地購入のタイミングです。

土地の代金そのものに加えて、様々な手数料や税金が必要となり、これらは基本的に現金での支払いを求められることが多いため、事前の準備が不可欠です。

ここでは、土地購入時にかかる主な諸費用について詳しく見ていきましょう。

仲介手数料

不動産会社を通して土地を購入した場合に、その成功報酬として支払う費用です。

法律で上限額が定められており、一般的には以下の速算式で計算されます。

  • 土地価格200万円以下の部分:5% + 消費税
  • 土地価格200万円超~400万円以下の部分:4% + 消費税
  • 土地価格400万円超の部分:3% + 消費税

計算が複雑なため、実務上は「(土地価格 × 3% + 6万円) + 消費税」という速算式がよく用いられます(※土地価格が400万円超の場合)。

例えば、2,000万円の土地を購入した場合、(2,000万円 × 3% + 6万円)+ 消費税10% = 72万6,000円が仲介手数料の上限となります。

この支払いは、売買契約時と引き渡し時に半金ずつ支払うのが一般的です。

印紙税

土地の売買契約書を作成する際に必要となる税金で、契約書に収入印紙を貼付して納税します。

契約金額によって税額が異なり、例えば契約金額が1,000万円超~5,000万円以下の場合は2万円ですが、軽減措置により2027年3月31日までは1万円となります。

手付金

土地の売買契約時に、買主が売主に対して支払うお金で、契約が成立した証拠金としての役割を持ちます。

一般的に土地価格の5%~10%程度が相場で、この手付金は最終的に土地の購入代金の一部に充当されます。

2,000万円の土地であれば100万円~200万円程度を現金で用意する必要があります。

不動産取得税

土地や建物を取得した際に、一度だけ課される都道府県税です。

土地を取得してから数ヶ月後に納税通知書が届きます。

税額は原則として「固定資産税評価額 × 4%」ですが、現在は軽減措置により税率が3%になっています。

さらに、住宅用の土地については、税額が大幅に軽減される特例があるため、忘れずに申告することが重要です。

登記費用(登録免許税と司法書士報酬)

購入した土地が自分のものであることを法的に示すために、所有権移転登記を行います。

この登記手続きにかかる税金が「登録免許税」で、土地の場合は「固定資産税評価額 × 1.5%」(2026年3月31日まで)です。

登記手続きは専門的な知識が必要なため、司法書士に依頼するのが一般的で、その際に「司法書士報酬」も発生します。

報酬額は依頼する司法書士によりますが、数万円から10万円程度が目安です。

これらの費用は、土地の引き渡し(決済)時に支払います。

建物本体以外に必要な付帯工事費

家づくりの見積もりを見たときに、「建物本体工事費」と「付帯工事費(別途工事費)」という項目に分かれていることに気づくでしょう。

付帯工事費とは、建物そのもの以外の、生活に必要なインフラを整えたり、敷地を整備したりするための工事費用のことです。

これは総費用の15%~20%を占める重要な項目であり、見落とすと大幅な予算オーバーに繋がるため、どのような工事が含まれるのかをしっかり理解しておく必要があります。

地盤調査・改良工事費

家を建てる前に、その土地が建物の重さに耐えられるかどうかを調べる「地盤調査」が必須です。

調査費用は数万円から10万円程度ですが、もし地盤が弱いと判断された場合は、「地盤改良工事」が必要になります。

この改良工事の費用は、地盤の状態や工法によって大きく異なり、数十万円から、場合によっては200万円以上かかることもあります。

土地探しの段階から、地盤の強さも考慮に入れることが大切です。

解体工事費(建て替えの場合)

既存の建物を取り壊して新しく家を建てる場合は、解体工事費が必要です。

建物の構造(木造、鉄骨造など)や広さ、立地条件によって費用は変動しますが、木造住宅の場合で坪単価4万円~6万円程度が目安です。

30坪の家であれば120万円~180万円程度かかる計算になります。

外構工事費

建物の周りの工事全般を指します。

例えば、駐車場(コンクリート敷設やカーポート設置)、門扉やフェンス、アプローチ、庭の植栽などが含まれます。

どこまでこだわるかによって費用は青天井ですが、一般的には100万円~300万円程度を見込んでおくことが多いです。

節約のために後回しに考えがちですが、防犯面やプライバシー保護の観点からも、最低限の工事は計画に含めておくべきでしょう。

給排水・ガス引き込み工事費

敷地内に水道管やガス管が引き込まれていない場合、前面道路から新たに引き込む工事が必要です。

道路との距離や自治体によって費用は大きく変わりますが、数十万円から100万円以上かかることもあります。

特に、古い分譲地や郊外の土地を検討する際は、インフラの整備状況を必ず確認しましょう。

その他

この他にも、以下のような費用が付帯工事費に含まれることがあります。

  • 照明器具購入・取り付け費
  • カーテン・ブラインド購入・取り付け費
  • エアコン設置工事費
  • アンテナ設置工事費
  • 特殊な基礎工事(高基礎など)の費用

これらの項目が建物本体価格に含まれているのか、それとも付帯工事費として別途必要なのかは、住宅会社によって異なります。

契約前の見積もり段階で、どこまでの工事が含まれているのかを詳細に確認することが、後々のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。

住宅ローン借入時の手数料や保証料

家を建てる方の多くが利用する住宅ローンですが、借入時にも様々な手数料や費用が発生します。

これらは金融機関や保証会社に支払うもので、数十万円単位のまとまった金額になることが多いため、あらかじめ予算に組み込んでおく必要があります。

住宅ローン関連の諸費用は、ローン契約時や融資実行時(建物の引き渡し時)に支払うのが一般的です。

融資事務手数料

住宅ローンを契約する金融機関に支払う手数料です。

手数料のタイプは主に2種類あります。

  1. 定額型:手数料が数万円程度と安い代わりに、保証料が別途必要になることが多い。
  2. 定率型:借入額に対して一定の料率(例:借入額の2.2%)で計算される。保証料が不要な場合が多い。

例えば、3,000万円を借り入れる場合、定率型(2.2%)だと66万円の手数料がかかります。

どちらのタイプがお得かは、金利や保証料の有無を含めて総合的に判断する必要があります。

複数の金融機関を比較検討することが重要です。

ローン保証料

万が一、住宅ローンの返済が滞ってしまった場合に、保証会社が代わりに返済(代位弁済)を行うための保証を受けるための費用です。

保証料の支払い方法にも2種類あります。

  • 一括前払い型:ローン契約時に、借入額と返済期間に応じた保証料をまとめて支払う方法。3,000万円を35年で借りる場合、60万円前後が目安。
  • 金利上乗せ型:保証料を前払いする代わりに、毎月の返済金利に0.2%程度上乗せして支払う方法。

初期費用を抑えたい場合は金利上乗せ型が魅力的ですが、総支払額で考えると一括前払い型の方が少なくなるのが一般的です。

最近では、ネット銀行などを中心に保証料が不要な住宅ローンも増えています。

印紙税

住宅ローンを借りる際に金融機関と交わす「金銭消費貸借契約書」に貼付する収入印紙代です。

土地売買契約書と同様に、借入額によって税額が決まります。

借入額が1,000万円超~5,000万円以下の場合は2万円です。

つなぎ融資関連費用

注文住宅の場合、住宅ローンが実行されるのは建物が完成し、引き渡しを受ける時です。

しかし、土地の購入代金や、建物の着工金・中間金など、完成前に支払いが必要な費用があります。

この資金を一時的に立て替えるために利用するのが「つなぎ融資」です。

つなぎ融資を利用する場合、通常の住宅ローンとは別に、事務手数料や印紙税、そして建物完成までの期間の利息が発生します。

この利息は、一般的な住宅ローンよりも金利が高めに設定されているため、工期が長引くと負担が大きくなる点に注意が必要です。

金融機関によっては、つなぎ融資が不要な「分割実行」に対応している場合もありますので、確認してみると良いでしょう。

登記費用や火災保険料などの手続き費用

土地の購入や住宅ローンの契約以外にも、家を建てて自分のものとして法的に登録したり、万が一の災害に備えたりするための手続き費用が必要です。

これらは主に建物の完成・引き渡し時に支払うものが多く、数十万円単位の出費となります。

見落としがちですが、家づくり全体の資金計画において非常に重要な項目です。

建物の登記費用

新築した建物について、法務局に登記を行うための費用です。

主に3種類の登記が必要になります。

登記の種類 内容 登録免許税の目安 依頼先
建物表題登記 建物の物理的な状況(所在地、構造、床面積など)を登録する。 なし 土地家屋調査士
所有権保存登記 その建物の所有者が誰であるかを初めて登録する。 固定資産税評価額 × 0.15%(軽減措置適用後) 司法書士
抵当権設定登記 住宅ローンを借りる際に、建物を担保として提供することを登録する。 債権額(借入額)× 0.1%(軽減措置適用後) 司法書士

建物表題登記は土地家屋調査士へ、所有権保存登記と抵当権設定登記は司法書士へ依頼するのが一般的です。

登録免許税という税金に加えて、それぞれの専門家への報酬が必要となり、合計で30万円~50万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

火災保険料・地震保険料

住宅ローンを組む際、ほとんどの金融機関で火災保険への加入が必須条件とされています。

火災だけでなく、落雷や風災、水災などの自然災害による損害を補償する重要な保険です。

補償内容や建物の構造、所在地によって保険料は大きく異なりますが、10年一括払いで20万円~50万円程度が一般的です。

近年、自然災害が増加していることから、保険料は上昇傾向にあります。

また、地震による損害は火災保険だけでは補償されず、別途「地震保険」への加入が必要です。

地震保険は単独では加入できず、火災保険とセットで契約します。

必要な補償内容をよく検討し、複数の保険会社から見積もりを取って比較することが大切です。

その他

上記以外にも、以下のような費用が発生する可能性があります。

  • 地鎮祭・上棟式費用:工事の安全を祈願する祭事の費用。地鎮祭で3万円~5万円、上棟式で10万円~30万円程度が目安ですが、実施は任意です。
  • 引っ越し代:荷物の量や移動距離、時期によって変動します。5万円~20万円程度。複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
  • 家具・家電購入費:新居に合わせて新調する場合、50万円~100万円以上かかることもあります。あらかじめリストアップして予算を組んでおきましょう。
  • 近隣への挨拶費用:工事前や引っ越し時に、ご近所へ挨拶する際の粗品代。数千円~1万円程度。

これらの費用は一つひとつは少額でも、積み重なると大きな金額になります。

家づくりの予算を考える際は、余裕を持った資金計画を立てることが成功の秘訣です。

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家を建てる際の諸費用の支払い時期と節約術

この章のポイント
  • 契約から引き渡しまでの支払いタイミング
  • 原則として現金で用意が必要な項目
  • シミュレーションで資金計画を立てる
  • 自分で手続きを行いコストを節約する方法
  • 家を建てる際の諸費用を把握して予算を守る

家を建てる際の諸費用の内訳を理解したら、次に重要になるのが「いつ、いくら支払うのか」という支払いタイミングの把握と、「どうすれば費用を抑えられるのか」という節約術です。

家づくりは長期間にわたるプロジェクトであり、その過程で様々なお金が動きます。

特に、住宅ローンが実行される前に現金で支払わなければならない費用も少なくありません。

この章では、資金計画を具体的に立てるための支払いスケジュールの全体像と、賢くコストを削減するための実践的な方法について解説します。

しっかりとした準備と知識があれば、予期せぬ出費に慌てることなく、理想の家づくりを予算内で実現することが可能になります。

契約から引き渡しまでの支払いタイミング

家を建てる際の諸費用は、一度にまとめて支払うわけではありません。

土地の契約から建物の完成、引き渡しに至るまで、様々なタイミングで支払いが発生します。

どの時期にどれくらいのお金が必要になるのかを事前に把握しておくことは、スムーズな資金計画の鍵となります。

ここでは、一般的な注文住宅の建築プロセスに沿って、支払いのタイミングを時系列で見ていきましょう。

1. 土地の売買契約時

希望の土地が見つかり、購入を決めた最初の段階です。

このタイミングで主に必要となるのは以下の費用で、基本的に現金で用意する必要があります。

  • 手付金:土地価格の5%~10%程度。
  • 仲介手数料の半金:不動産会社に支払う手数料の半分。
  • 印紙税:売買契約書に貼付する収入印紙代。

2. 建物の工事請負契約時

建築を依頼するハウスメーカーや工務店と契約を結ぶ段階です。

  • 契約金(着手金):工事代金の一部として、本体価格の10%程度を支払うのが一般的。
  • 印紙税:工事請負契約書に貼付する収入印紙代。

3. 住宅ローン契約時

金融機関と住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を結びます。

この段階では、融資実行前なので現金での支払いが必要です。

  • 印紙税:金銭消費貸借契約書に貼付する収入印紙代。

4. 工事期間中(着工時・上棟時など)

建物の工事が始まると、工程の進捗に合わせて工事代金を分割で支払います。

一般的には「着工金」「中間金(上棟金)」として、それぞれ本体価格の30%程度を支払うケースが多いです。

住宅ローン実行前の支払いとなるため、自己資金で賄うか、「つなぎ融資」を利用することになります。

5. 引き渡し(決済)時

建物が完成し、いよいよマイホームが自分のものになる最終段階です。

このタイミングで住宅ローンが実行され、残りの代金や多くの諸費用をまとめて支払います。

最大の支払いが発生するタイミングと言えるでしょう。

  • 土地代金の残金
  • 仲介手数料の残金
  • 建物工事代金の残金
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
  • 融資事務手数料、ローン保証料
  • 火災保険料
  • 固定資産税・都市計画税の清算金

6. 引き渡し後

入居してからも支払うべき費用があります。

  • 不動産取得税:入居後数ヶ月してから納税通知書が届きます。
  • 引っ越し代、家具・家電購入費

このように、家づくりでは様々な段階で支払いが発生します。

特に、住宅ローン実行前に必要となる現金の額を正確に把握し、事前に準備しておくことが非常に重要です。

原則として現金で用意が必要な項目

家を建てる際の費用の多くは住宅ローンで賄うことができますが、中にはローン実行前に支払う必要があったり、ローンの対象外であったりするため、原則として現金(自己資金)で用意しなければならない項目があります。

これらの費用を把握していないと、いざという時に資金がショートしてしまう可能性があります。

どのくらいの現金を準備すべきか、計画を立てるために、現金払いが必要な主な項目をリストアップして確認しましょう。

現金が必要な主な諸費用リスト

  1. 手付金(土地・建物):契約の証拠金として支払うもので、ローン実行前に必要です。土地価格や建物価格の5%~10%が目安。
  2. 印紙税:各種契約書(売買契約、工事請負契約、ローン契約)に貼付する収入印紙代。契約時に現金で支払います。
  3. 仲介手数料:土地購入時に不動産会社へ支払う手数料。契約時と決済時に半金ずつ支払うのが一般的で、これも現金が必要です。
  4. 地鎮祭・上棟式などの祭事費用:神主さんへの謝礼や、大工さんへのご祝儀など。当日に現金で渡します。
  5. 登記費用のうち司法書士・土地家屋調査士への報酬:登録免許税はローンに含められる場合もありますが、専門家への報酬は現金払いを求められることが多いです。
  6. つなぎ融資の利息や手数料:住宅ローン本体とは別に発生する費用で、自己資金から支払うのが一般的です。
  7. 引っ越し代:引っ越し業者への支払いは、当日現金払いが基本です。
  8. 家具・家電購入費:ローンに含めることも可能な場合がありますが、金利が高くなる傾向があるため、自己資金で用意するのが望ましいです。
  9. 近隣への挨拶費用:工事前後の挨拶回りで渡す手土産代です。

これらの合計額は、購入する土地の価格や建物の規模にもよりますが、最低でも150万円~300万円程度の現金はすぐに動かせるように準備しておくと安心です。

もちろん、頭金を多く入れる場合は、さらに多くの自己資金が必要になります。

諸費用ローンという選択肢

「どうしても現金が足りない」という場合には、「諸費用ローン」や「オーバーローン(諸費用を住宅ローンに組み込むこと)」といった選択肢もあります。

これにより、初期の自己資金負担を軽減することは可能です。

しかし、注意点もあります。

諸費用ローンは住宅ローン本体よりも金利が高く設定されていることが多く、総返済額が増えてしまいます。

また、オーバーローンは借入額が物件の担保価値を上回るため、審査が厳しくなったり、将来的に売却する際に残債が売却価格を上回り「任意売却」が難しくなったりするリスクも伴います。

家計の状況をよく考え、無理のない資金計画を立てることが何よりも重要です。

できる限り、諸費用分は現金で用意することを目指し、計画的に貯蓄を進めていきましょう。

シミュレーションで資金計画を立てる

家を建てる際の諸費用を把握し、支払いタイミングを理解したら、次はいよいよ自分自身の具体的な資金計画を立てるステップです。

感覚だけで進めるのではなく、具体的な数字に落とし込む「シミュレーション」を行うことで、無理のない予算や借入額が見えてきます。

精度の高いシミュレーションは、家づくりにおける羅針盤となり、予算オーバーという失敗からあなたを守ってくれるでしょう。

ステップ1:総予算の上限を決める

まず最初に決めるべきは、「家づくり全体にかけられるお金はいくらか」という総予算です。

これは、以下の式で算出できます。

総予算 = 自己資金(頭金+諸費用分) + 住宅ローンの借入可能額

自己資金は、現在の貯蓄額から、将来必要となるお金(教育資金、老後資金、万が一の備えなど)を差し引いて考えます。

住宅ローンの借入可能額は、年収や勤務先、勤続年数などから金融機関が判断しますが、一般的に「年収の5~7倍」が目安と言われます。

ただし、「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違います。

「返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)」が20%~25%以内に収まるように考えるのが堅実です。

ステップ2:諸費用を概算する

総予算が決まったら、そこからまず諸費用を差し引きます。

前の章で学んだ通り、諸費用は土地・建物の総額の10%~12%(土地なしの場合)が一つの目安です。

例えば、総予算が4,000万円の場合、約400万円を諸費用として確保します。

これにより、土地と建物にかけられる予算は3,600万円となります。

ステップ3:土地と建物の予算配分を決める

土地と建物にかけられる予算(この例では3,600万円)を、それぞれの希望に合わせて配分します。

エリアや広さなど土地の条件を優先するのか、それとも建物の性能やデザインを優先するのか、家族で話し合って優先順位を決めましょう。

土地の相場を調べながら、現実的な配分を探っていきます。

例えば、「土地1,600万円、建物2,000万円」といった具体的な数字が見えてきます。

ステップ4:月々の返済額と将来のキャッシュフローを確認する

最終的に決めた借入額で、毎月の返済額がいくらになるかをシミュレーションします。

このとき、固定資産税(年間10万円~15万円程度)や、将来のメンテナンス費用(10年ごとに100万円程度)といった、家を建てた後にかかる費用も考慮に入れることが非常に重要です。

現在の家賃と比較するだけでなく、子どもの教育費の増加や車の買い替えなど、将来のライフイベントも踏まえた長期的なキャッシュフロー表を作成してみましょう。

これにより、将来にわたって無理なく返済を続けられるかを確認できます。

ネットの情報だけで判断しないことの重要性

インターネット上には多くのローンシミュレーターがありますが、それらはあくまで簡易的なものです。

金利の優遇幅や手数料、保証料の計算方法は金融機関によって大きく異なります。

また、あなたのライフプランに潜むリスクまでは考慮されません。

ここで強調したいのは、ネットの情報はあくまで一般論であり、あなたの条件(予算・土地・家族構成)での正解を知るには、プロによる個別提案が必要であるということです。

住宅会社の営業担当者や、独立系のファイナンシャルプランナーに相談することで、より現実的で安心できる資金計画を立てることができます。

早い段階で専門家に相談することが、後悔しない家づくりの第一歩です。

自分で手続きを行いコストを節約する方法

家を建てる際の諸費用は多岐にわたりますが、中には工夫次第でコストを削減できる項目も存在します。

数十万円単位の大きな節約に繋がることもあるため、知識として知っておくことは非常に有益です。

ただし、手間や時間がかかること、専門的な知識が必要な場合もあるため、メリットとデメリットを理解した上で取り組むことが大切です。

火災保険の相見積もり

住宅ローンを組む際に、金融機関やハウスメーカーから提携している保険代理店を紹介されることがほとんどです。

しかし、必ずしもそこで契約する必要はありません。

保険料は、保険会社や補償内容によって大きく異なります。

複数の保険会社や代理店から見積もりを取り、内容を比較検討する「相見積もり」を行うことで、同じような補償内容でも年間数万円、10年間で数十万円の保険料を節約できる可能性があります。

特に、不要な補償(例えば、高台で水災リスクが低いのに水災補償を手厚くするなど)を外すことで、保険料を合理的に削減できます。

登記を自分で行う(セルフ登記)

建物の登記は、通常、土地家屋調査士や司法書士に依頼しますが、一部を自分で行う「セルフ登記」によって報酬分の費用を節約できます。

特に、建物の物理的な状況を登録する「建物表題登記」は、比較的セルフ登記に挑戦しやすいと言われています。

ただし、複雑な書類の作成や法務局とのやり取りが必要となり、多くの時間と手間がかかります。

平日に何度も法務局へ足を運ぶ必要があるため、時間的な余裕がある方向けの方法と言えるでしょう。

所有権保存登記や抵当権設定登記は、住宅ローン融資の条件として金融機関から司法書士の指定がある場合がほとんどのため、セルフ登記は難しいのが実情です。

外構工事の分離発注

外構工事をハウスメーカーに一括で任せず、自分で直接、外構専門の業者に依頼することを「分離発注」と言います。

ハウスメーカーの中間マージンがかからないため、同じ内容の工事でも10%~20%程度コストを抑えられる可能性があります。

ただし、自分で業者を探し、打ち合わせやスケジュール管理を行う必要があります。

また、建物と外構の工事でトラブルがあった際の責任の所在が曖昧になりやすいというデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。

その他

    • 施主支給:照明器具やカーテン、水栓金具などを自分で安く購入し、ハウスメーカーに取り付けだけを依頼する方法。ただし、取り付け費用が別途かかったり、保証の対象外になったりする場合もあるため、事前に確認が必要です。
    • 引っ越し業者の相見積もり:複数の業者から見積もりを取ることで、料金を比較し、交渉の材料にできます。特に、時期をずらす(繁忙期の3~4月を避ける)だけでも費用は大きく変わります。

* DIY:表札やポストの設置、庭の簡単な植栽など、自分でできることは自分で行うことで、工賃を節約できます。

これらの節約術は、手間をかけることでコストを削減する方法です。

家づくり全体のスケジュールや自分たちの労力を考え合わせ、無理のない範囲で取り入れていくのが良いでしょう。

家を建てる際の諸費用を把握して予算を守る

これまで、家を建てる際の諸費用について、その相場から内訳、支払いタイミング、そして節約術までを詳しく見てきました。

夢のマイホーム計画において、建物本体価格にばかり目が行きがちですが、実際にはそれ以外にも数多くの費用が必要になることをご理解いただけたかと思います。

これらの諸費用を軽視してしまうと、計画の最終段階で「現金が足りない」「ローンを増額しなければならない」といった事態に陥り、最悪の場合、理想の家づくりを何か諦めなければならなくなります。

そうならないために最も重要なことは、家づくりを考え始めた初期の段階で、諸費用を含めた総額の予算を正確に把握し、それに基づいた堅実な資金計画を立てることです。

土地の仲介手数料、各種税金、登記費用、住宅ローン手数料、付帯工事費…。

これらの項目を一つひとつリストアップし、自分の場合はいくらくらいかかるのかをシミュレーションしてみましょう。

しかし、この記事でご紹介した金額や割合は、あくまで一般的な目安に過ぎません。

あなたが検討している土地の条件、希望する家の仕様、利用する金融機関、そしてご自身の家族構成やライフプランによって、本当に必要な費用は大きく変わってきます。

インターネットの情報や書籍だけで、あなたにとっての「正解」の資金計画を立てることは非常に困難です。

そこで、後悔しない家づくりのために不可欠となるのが、複数の住宅会社から、あなたの希望に基づいた具体的な見積もりと資金計画の提案をしてもらうことです。

複数のプランを比較検討することで、各社の強みや特徴がわかるだけでなく、自分たちが見落としていた費用項目に気づいたり、より良い節約のアイデアを得られたりすることもあります。

「でも、一社一社住宅展示場を回って話を聞くのは大変…」と感じる方も多いでしょう。

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簡単な情報を入力するだけで、あなたの希望エリアや予算に合った複数の優良住宅会社から、間取りプランやカタログ、そして最も重要な資金計画に関する資料を一度に取り寄せることができます。

家でじっくりと各社の提案を比較できるため、忙しい方でも効率的に情報収集が可能です。

これは、理想の家づくりを成功させるための、賢い第一歩と言えるでしょう。

ネットの一般論で満足するのではなく、あなたのためのオーダーメイドの情報を手に入れて、確かな予算計画のもと、安心して家づくりを進めていきませんか。

この記事のまとめ
    • 家を建てる際の諸費用は建物本体価格以外に発生する費用の総称
    • 諸費用の相場は土地なしの場合で総額の10%から12%が目安
    • 土地購入時には仲介手数料や印紙税、不動産取得税などが必要
    • 建物以外に地盤改良や外構などの付帯工事費がかかる
    • 住宅ローン借入時には事務手数料や保証料が発生する
    • 登記費用や火災保険料も数十万円単位で必要になる
    • 諸費用は契約から引き渡し後まで様々なタイミングで支払いが発生
    • 特にローン実行前に支払う手付金などの現金準備が重要
    • 総予算から諸費用を先に確保して資金計画を立てることが基本

* シミュレーションで月々の返済額や将来の収支を確認する

  • 火災保険の相見積もりや分離発注でコスト節約も可能

 

* ネットの情報はあくまで一般論であり個別の計画には限界がある

* 正確な資金計画のためにはプロによる個別提案が不可欠

* 複数の住宅会社の提案を比較することが予算を守る鍵

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