家を建てる費用は総額いくら?相場と内訳、安く抑えるコツを解説

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夢のマイホームを実現するために、家を建てる費用は最も重要な関心事の一つです。

しかし、一体総額でいくらかかるのか、その内訳はどうなっているのか、多くの方が漠然とした不安を抱えているのではないでしょうか。

家を建てる費用には、建物の価格である本体工事費だけでなく、付帯工事にかかる別途工事費や税金などの諸費用も含まれます。

これらの全体像を把握せずに計画を進めると、後から想定外の出費に驚くことになりかねません。

この記事では、注文住宅の費用相場に関する最新のデータから、複雑な費用の内訳、坪単価の正しい考え方まで、家を建てる費用にまつわるあらゆる疑問を徹底的に解説します。

さらに、自己資金はいくら準備すべきか、無理のない住宅ローンの組み方、ハウスメーカー選びのポイント、そしてコストを賢く安く抑える具体的な方法まで、実践的な情報をお届けします。

家づくりは、予算計画から始まります。

まずは総額の目安を知り、見積もりやシミュレーションを活用しながら、ご自身の理想と予算に合った家づくりを進めることが成功の鍵です。

土地の有無や坪数、平屋か二階建てかによっても費用は大きく変わりますが、この記事を読めば、後悔しないための資金計画の立て方が明確になるでしょう。

この記事で分かる事、ポイント
  • 最新データに基づく家を建てる費用の全国・エリア別相場
  • 「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の詳細な内訳と割合
  • 坪単価だけで判断してはいけない理由と正しい考え方
  • 準備すべき自己資金(頭金)の目安と役割
  • 年収に応じた無理のない住宅ローン計画の立て方
  • ハウスメーカーや工務店など依頼先ごとの特徴と費用感
  • すぐに実践できる建築費用を安く抑えるための具体的な5つのコツ

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家を建てる費用の相場と知っておきたい内訳

この章のポイント
  • 最新データで見る注文住宅の費用相場
  • 知っておくべき費用の詳細な内訳とは
  • 約7割を占める本体工事費の項目
  • 見落としがちな別途工事費の内訳
  • 税金や登記など諸費用の目安
  • 坪単価だけで総額を判断してはいけない理由

最新データで見る注文住宅の費用相場

家を建てる費用について考えるとき、まず気になるのが「一体いくらくらいかかるのか」という相場ではないでしょうか。

ここでは、公的な最新データを基に、注文住宅の建築費用の相場を見ていきましょう。

住宅金融支援機構が発表している2022年度の「フラット35利用者調査」によると、土地の購入費用を含まない注文住宅の建築費用の全国平均は3,717万円です。

これはあくまで全国平均であり、地域によって費用相場は大きく異なります。

例えば、首都圏では4,000万円を超え、その他の地域では3,500万円前後となるなど、都市部ほど高くなる傾向があります。

この金額は建物本体にかかる費用であり、土地をこれから購入する場合は、さらに土地代が必要になります。

土地代を含めた場合の注文住宅の全国平均は約4,694万円となっており、家を建てる費用総額のかなりの部分を土地代が占めることがわかります。

特に地価の高い首都圏では、土地代だけで平均2,500万円以上かかっており、総額は5,000万円を超えるケースも珍しくありません。

一方で、すでに土地を持っている「土地あり」の場合は、この土地取得費用がかからないため、資金計画は大きく変わってきます。

土地ありの場合、家を建てる費用は前述の建築費用3,717万円が目安となりますが、地盤の状態によっては改良工事が必要になるなど、土地の状態によって追加費用が発生することもあります。

また、住宅の床面積(坪数)も費用を左右する大きな要因です。

同調査によると、住宅面積の全国平均は約122.8平方メートル(約37坪)でした。

坪数が大きくなればなるほど建築費用は高くなるため、自分たちのライフスタイルに必要な広さを慎重に検討することが重要です。

例えば、35坪の家を建てる場合、全国平均の坪単価(約95万円)で計算すると、単純計算で約3,325万円となりますが、これはあくまで目安であり、仕様や設備によって金額は変動します。

これらのデータは、あくまで平均値です。

ローコスト住宅を得意とするハウスメーカーであれば2,000万円台で家を建てることも可能ですし、ハイグレードな設備やこだわりの設計を取り入れれば4,000万円、5,000万円とかかることもあります。

まずは自分たちの予算を明確にし、その範囲内でどのような家が建てられるのか、複数のハウスメーカーや工務店から見積もりを取って比較検討することが、賢い家づくりの第一歩と言えるでしょう。

知っておくべき費用の詳細な内訳とは

家を建てる費用と一言でいっても、その中身は一つではありません。

大きく分けると「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つで構成されており、それぞれの役割と割合を理解しておくことが、正確な予算計画には不可欠です。

一般的に、総額に占める割合の目安は以下のようになります。

  • 本体工事費:総額の約70%~80%
  • 別途工事費:総額の約15%~20%
  • 諸費用:総額の約5%~10%

それでは、それぞれの内訳を詳しく見ていきましょう。

本体工事費

本体工事費は、その名の通り「建物そのもの」を建てるための費用です。

家を建てる費用の中心となる部分で、総額の7割以上を占める最も大きなウェイトを持つ項目です。

基礎工事や構造躯体の組み立て、屋根や外壁、内装の仕上げ、キッチンやお風呂、トイレといった住宅設備の設置などがこれに含まれます。

広告や住宅展示場で「坪単価〇〇万円」と表示されている場合、この本体工事費を指していることがほとんどです。

しかし、後述する別途工事費や諸費用は含まれていないため、坪単価だけを見て資金計画を立ててしまうと、後で予算が大幅に不足する事態に陥る可能性があります。

別途工事費

別途工事費は、建物本体以外の工事にかかる費用です。

付帯工事費とも呼ばれます。

これには、駐車場や庭、フェンスなどの外構工事、古い家の解体費用、地盤が弱い場合に必要な地盤改良工事、電気・ガス・水道を敷地に引き込むための工事などが含まれます。

これらの工事は、土地の状況やライフスタイルによって必要性が大きく変わるため、本体工事費とは別に見積もられるのが一般的です。

特に見落としがちなのがこの別途工事費で、総額の2割近くになることも珍しくありません。

例えば、3000万円の家を建てる場合、450万円から600万円程度が別途工事費として必要になる計算です。

見積もりを確認する際は、どこまでの工事が含まれているのかをしっかり確認することが重要です。

諸費用

諸費用は、工事費以外に発生するさまざまな手続きのための費用や税金などを指します。

具体的には、建物の登記費用、住宅ローンを組む際の手数料や保証料、火災保険料、不動産取得税や固定資産税といった税金、地鎮祭や上棟式などの費用、引っ越し代や仮住まいの費用などが含まれます。

これらの多くは現金での支払いが必要となるため、自己資金の中から準備しておく必要があります。

総額の5%~10%が目安とされており、仮に総額4,000万円の家を建てるなら、200万円から400万円程度の諸費用がかかると考えておきましょう。

このように、家を建てる費用は3つの要素で成り立っています。

総額を正確に把握するためには、本体工事費だけでなく、別途工事費や諸費用まで含めた資金計画を立てることが、後悔しない家づくりのために不可欠です。

約7割を占める本体工事費の項目

家を建てる費用の大部分を占める「本体工事費」。

この中身を詳しく知ることで、どこに費用がかかっているのか、どこを工夫すればコストを調整できるのかが見えてきます。

本体工事費は、家づくりの工程順にいくつかの項目に分けられます。

ここでは、主な項目とその内容について解説します。

仮設工事費

工事を始める前に必要な準備のための費用です。

工事期間中の電気や水道の確保、作業員の使う仮設トイレの設置、建物の周りに組む足場、現場を囲うフェンスなどが含まれます。

また、工事車両の駐車スペース代や、現場の清掃、廃材の処理費用などもこの項目に含まれることがあります。

建物の完成後には撤去されるものですが、安全かつスムーズに工事を進めるためには欠かせない費用であり、本体工事費の3%~5%程度を占めるのが一般的です。

基礎工事費

建物の土台となる基礎を造るための費用です。

地面を掘り、鉄筋を組んでコンクリートを流し込む工事で、家の重さを支え、地震の揺れを地面に逃がす非常に重要な役割を担います。

基礎には「ベタ基礎」や「布基礎」といった種類があり、建物の構造や地盤の状況によって適切な工法が選ばれます。

一般的に、ベタ基礎の方がコストは高くなりますが、耐震性や防湿性に優れているとされています。

本体工事費の約10%を占める重要な部分です。

構造・躯体工事費

家の骨格を造る工事で、木造住宅の場合は木工事とも呼ばれます。

基礎の上に土台や柱、梁を組み立て、屋根や壁の下地を造る工程です。

家の強度や耐久性を決定づける最も重要な部分であり、使用する木材の種類や量、工法によって費用が大きく変わります。

近年では、工場である程度組み立ててから現場で施工するプレカット工法が主流で、品質の安定と工期の短縮に貢献しています。

本体工事費の中でも最も割合が大きく、20%~30%を占めることもあります。

内外装工事費

建物の「見た目」を仕上げる工事です。

外装工事には、屋根材(瓦、スレート、ガルバリウム鋼板など)の設置や、外壁材(サイディング、タイル、塗り壁など)の施工が含まれます。

内装工事は、床のフローリング、壁や天井のクロス貼り、建具(ドアや窓)の取り付けなど、室内の仕上げを行う工事です。

使用する素材のグレードによって費用が大きく変動する部分であり、デザインや機能性にこだわりたい場合、予算が膨らみやすい項目でもあります。

設備工事費

生活に欠かせない設備を設置・配管する工事です。

キッチン、ユニットバス、洗面台、トイレといった水回り設備の設置、給排水管やガス管の配管工事、エアコンや24時間換気システムの設置、照明器具やコンセントの配線工事などが含まれます。

設備のグレードは価格に直結するため、予算と機能性のバランスを考えることが重要です。

例えば、システムキッチンのグレードを上げたり、太陽光発電システムを導入したりすると、費用は大きくアップします。

これらの項目が組み合わさって、本体工事費が構成されています。

見積もりを見る際は、各項目にどのような工事が含まれているのかを細かく確認し、不明な点があればハウスメーカーや工務店に質問することが大切です。

見落としがちな別途工事費の内訳

家を建てる費用の見積もりを見て、「思ったより安い」と感じたものの、最終的な総額が大きく膨らんでしまった、というケースは少なくありません。

その主な原因となるのが「別途工事費」です。

本体工事費には含まれず、しかし快適な生活を送るためには必須となる工事が多いため、あらかじめどのような費用が必要になるか把握しておくことが極めて重要です。

ここでは、見落としがちな別途工事費の主な内訳を紹介します。

外構工事費

建物周りの工事全般を指し、エクステリア工事とも呼ばれます。

具体的には、駐車場のコンクリート舗装やカーポートの設置、門扉やフェンス、アプローチの造成、庭の植栽やウッドデッキの設置などが含まれます。

どこまでこだわるかによって費用は大きく変動し、100万円から300万円以上かかることも珍しくありません。

建物の引き渡し後に自分たちでDIYしたり、別の専門業者に依頼したりすることも可能ですが、住宅ローンに組み込みたい場合は、家本体の契約時に一緒に計画しておく必要があります。

給排水・ガス引き込み工事費

前面道路に埋設されている水道管やガス管を、敷地内に引き込むための工事です。

土地が面している道路からの距離や、敷地の状況によって工事費用は大きく変わります。

特に、前面道路に本管が通っていない場合は、新たに管を延長する必要があり、高額な費用が発生することもあります。

土地を購入する際には、インフラの整備状況を必ず確認しましょう。

浄化槽を設置する必要があるエリアでは、その設置費用も別途必要になります。

地盤改良工事費

家を建てる前に地盤調査を行い、地盤が弱いと判断された場合に必要となる工事です。

軟弱な地盤の上にそのまま家を建ててしまうと、建物が傾く「不同沈下」のリスクがあります。

それを防ぐために、地中に杭を打ち込んだり、セメントを混ぜて地盤を固めたりする工事を行います。

工事方法は地盤の状態によって異なり、費用も数十万円から200万円以上と幅があります。

これは地盤調査をしてみないと費用が確定しないため、予算計画ではある程度余裕を見ておく必要があります。

解体工事費

建て替えの場合、既存の古い家を取り壊すための費用です。

建物の構造(木造、鉄骨造など)や広さ、アスベストの有無などによって費用は変動します。

一般的な木造住宅の場合、坪単価4万円~6万円程度が目安となり、30坪の家なら120万円~180万円程度かかります。

その他

上記以外にも、以下のような費用が別途工事費としてかかる場合があります。

  • エアコン設置工事費:本体価格とは別に、設置台数分の工事費が必要です。
  • カーテン・ブラインド購入・設置費:窓の数やサイズによって変動します。
  • テレビアンテナ設置工事費:地デジやBS/CS放送を見るために必要です。
  • 照明器具購入・設置費:標準仕様以外の照明を選ぶ場合は追加費用がかかります。

これらの別途工事費は、総額で数百万円にのぼることもあります。

ハウスメーカーの見積もりではどこまでが含まれているのか、「別途工事費一式」とまとめられていないか、詳細な内訳を必ず確認するようにしましょう。

税金や登記など諸費用の目安

家を建てる際には、建物の工事費以外にも、さまざまな手続きに伴う「諸費用」が発生します。

これらの多くは住宅ローンに含めることができず、現金での支払いが必要になるため、自己資金としてしっかりと準備しておく必要があります。

諸費用の総額は、一般的に物件価格の5%~10%が目安と言われています。

例えば、土地と建物の総額が4,000万円の場合、200万円から400万円程度の諸費用がかかる計算になります。

ここでは、主な諸費用の内訳と目安について解説します。

登記に関する費用

建てた家や購入した土地が誰のものであるかを公的に証明するため、「登記」という手続きが必要です。

この手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、その報酬と、登記の際に国に納める「登録免許税」がかかります。

  1. 土地の所有権移転登記(土地を購入した場合)
  2. 建物の所有権保存登記(新築した建物の最初の登記)
  3. 抵当権設定登記(住宅ローンを借りる際に必要)

これらの登記費用を合計すると、30万円~50万円程度が目安となります。

税金

家を建てると、さまざまな税金がかかります。

  • 印紙税:工事請負契約書や住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に貼る印紙代です。契約金額によって税額が異なり、数万円程度かかります。
  • 不動産取得税:土地や建物を取得した際に一度だけかかる都道府県税です。軽減措置があるため、かからない場合もありますが、数十万円かかることもあります。
  • 固定資産税・都市計画税:毎年1月1日時点の所有者にかかる市町村税です。新築住宅には一定期間の軽減措置があります。

住宅ローン関連費用

住宅ローンを組む際には、金融機関に支払う手数料などが発生します。

主なものとして、融資手数料、ローン保証料、団体信用生命保険料などがあります。

金融機関やローンの商品によって料金体系は大きく異なり、数十万円から100万円以上かかることもあります。

特に保証料は、一括前払い型か金利上乗せ型かによって初期費用が大きく変わるため、ローンを選ぶ際の重要な比較ポイントになります。

保険料

住宅ローンを組む際には、火災保険への加入が必須とされていることがほとんどです。

補償内容や保険期間によって保険料は異なりますが、10年一括払いで10万円~30万円程度が目安です。

また、地震による損害は火災保険ではカバーされないため、任意で地震保険にも加入する場合は、さらに保険料が必要になります。

その他

上記以外にも、以下のような費用がかかることがあります。

  • 地鎮祭・上棟式の費用:神主さんへの謝礼やお供え物、職人さんへのお弁当代など、合わせて10万円~30万円程度が目安です。
  • 引っ越し費用:荷物の量や移動距離、時期によって変動します。
  • 家具・家電購入費:新しい家に合わせた家具や家電を新調する場合に必要です。

これらの諸費用は、家づくりの終盤や引き渡し後に支払うものが多いため、計画の初期段階から予算に組み込んでおくことが、資金ショートを防ぐ上で非常に重要です。

坪単価だけで総額を判断してはいけない理由

ハウスメーカーの広告やウェブサイトでよく目にする「坪単価」。

家を建てる費用の目安として非常に分かりやすい指標ですが、この坪単価だけで建築費用の総額を判断するのは非常に危険です。

なぜなら、坪単価には明確な定義がなく、ハウスメーカーによって計算方法や含まれる内容が異なるためです。

坪単価の罠に陥らず、正しく費用を比較検討するために、知っておくべきポイントを解説します。

計算の基になる「面積」が違う

坪単価は、一般的に「本体価格 ÷ 坪数」で計算されます。

しかし、この計算の分母となる「坪数」の算出方法が会社によって異なります。

主に使われるのは「延床面積」と「施工床面積」の2種類です。

  • 延床面積:建物の各階の床面積を合計した面積です。建築基準法で定められている公式な面積で、登記にも使われます。バルコニーや吹き抜け、玄関ポーチなどは含まれません。
  • 施工床面積:実際に工事を行った面積を指します。延床面積に含まれないバルコニー、吹き抜け、玄関ポーチ、小屋裏収納なども含んで計算されます。そのため、一般的に延床面積よりも広くなります。

同じ建物でも、分母となる面積が広い「施工床面積」で計算した方が、坪単価は安く見えます。

例えば、本体価格3,000万円の家で、延床面積が35坪、施工床面積が40坪だった場合、

・延床面積で計算:3,000万円 ÷ 35坪 = 約85.7万円/坪

・施工床面積で計算:3,000万円 ÷ 40坪 = 75万円/坪

となり、坪単価に10万円以上の差が生まれます。

坪単価を比較する際は、どの面積を基準に計算されているのかを必ず確認する必要があります。

坪単価に含まれる「費用」の範囲が違う

坪単価の計算の分子となる「本体価格」に、どこまでの費用が含まれているかもハウスメーカーによってバラバラです。

一般的に坪単価は「本体工事費」を基に計算されますが、その本体工事費に照明器具やエアコン、カーテンレールなどが含まれているか否かは会社の方針によります。

さらに、前述した「別途工事費」や「諸費用」は、坪単価には一切含まれていません。

坪単価が安いローコスト住宅メーカーだと思って話を進めたら、標準仕様のグレードが低く、オプションを追加していくうちに結局高くなってしまったり、別途工事費が高く設定されていたりするケースもあります。

建物の形状や坪数によって坪単価は変動する

坪単価は、建物の条件によっても変動します。

例えば、同じ坪数でも、正方形に近いシンプルな形状の家と、凹凸の多い複雑な形状の家とでは、後者の方が壁の面積や角が増えるため、材料費や手間がかかり、坪単価は高くなります。

また、一般的に家の坪数が小さくなるほど、坪単価は割高になる傾向があります。

なぜなら、キッチンやバス・トイレといった住宅設備は、家の大小にかかわらず一式必要であり、小さな家では総額に占める設備費の割合が大きくなるためです。

平屋も、二階建てと同じ延床面積で比較すると、基礎や屋根の面積が2倍になるため、坪単価は高くなるのが一般的です。

このように、坪単価はあくまで家づくりの初期段階における大まかな目安と捉えるべきです。

複数の会社を比較検討する際は、坪単価の安さだけで判断するのではなく、必ず「総額でいくらかかるのか」という視点で見積もりを依頼し、その詳細な内訳を比較することが、後悔しない家づくりのためには不可欠です。

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家を建てる費用を賢く計画し安く抑えるコツ

この章のポイント
  • 必要な自己資金はいくら準備すべきか
  • 無理のない住宅ローン計画の立て方
  • 依頼先で比較!ハウスメーカーの特徴
  • コストを安く抑えるための5つのポイント
  • まとめ:後悔しない家を建てる費用の考え方

必要な自己資金はいくら準備すべきか

家を建てる費用を考える上で、住宅ローンと並んで重要なのが「自己資金(頭金)」です。

自己資金をどのくらい準備できるかによって、住宅ローンの借入額や月々の返済額、さらにはローン審査の通りやすさまで変わってきます。

かつては物件価格の2割程度の頭金が必要と言われていましたが、現在では低金利を背景に「頭金なし」で全額ローンを組める商品も増えています。

しかし、自己資金を準備することには大きなメリットがあるため、計画的に貯めておくことが推奨されます。

自己資金の役割とメリット

自己資金を準備する主なメリットは以下の通りです。

  • 住宅ローンの総返済額を減らせる:頭金を入れることで借入額が減り、支払う利息の総額を抑えることができます。
  • 月々の返済負担を軽くできる:借入額が少なくなれば、当然月々の返済額も少なくなります。これにより、家計に余裕が生まれます。
  • 住宅ローン審査で有利になる:自己資金を準備できるということは、計画的な貯蓄ができる証明になり、金融機関からの信用度が高まります。結果として、ローンの審査に通りやすくなったり、より良い金利条件を引き出せたりする可能性があります。
  • 金利上昇リスクに備えられる:特に変動金利でローンを組む場合、将来金利が上昇した際の返済額増加の影響を、借入額が少ない分だけ緩和できます。

自己資金の目安は?

では、具体的にいくら自己資金を準備すれば良いのでしょうか。

一般的に、家を建てる費用の総額の10%~20%が目安とされています。

例えば、総額4,000万円の家を建てるなら、400万円から800万円が自己資金の目安となります。

ただし、最も重要なのは、前述した「諸費用」を現金で支払えるだけ確保しておくことです。

諸費用は総額の5%~10%(この例では200万円~400万円)かかるため、最低でもこの金額は自己資金として準備しておく必要があります。

諸費用もローンに含められる商品はありますが、金利が高くなる傾向があるため注意が必要です。

理想としては、「諸費用分 + 総額の10%程度の頭金」を準備できると、資金計画にかなり余裕が生まれるでしょう。

自己資金を貯めすぎることのデメリット

一方で、自己資金を貯めることに固執しすぎることにも注意が必要です。

頭金を貯めている間に、建築資材の価格が上昇したり、住宅ローンの金利が上がってしまったりする可能性があります。

また、家賃を支払いながら貯金をしている場合、その家賃分もコストと考えることができます。

購入時期を遅らせることで、結果的に総支払額が増えてしまう可能性もゼロではありません。

さらに、手元の現金をすべて自己資金に充ててしまうと、病気や失業といった不測の事態に対応できなくなります。

生活費の半年分から1年分程度は、いざという時のための「手元に残すお金」として確保しておくことが大切です。

自己資金の額は、現在の貯蓄額、今後の収入見込み、ライフプラン(子どもの教育費など)を総合的に考慮して、無理のない範囲で設定することが重要です。

ファイナンシャルプランナーなどに相談し、客観的な視点でシミュレーションしてみるのも良いでしょう。

無理のない住宅ローン計画の立て方

家を建てる費用の大部分を占める住宅ローン。

数千万円という大きな金額を、20年、30年と長期間にわたって返済していくため、計画の立て方次第で将来の家計に大きな影響を与えます。

「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違うということを念頭に置き、慎重な資金計画を立てることが何よりも重要です。

年収から考える借入額の目安

住宅ローンの借入額を考える上で参考になるのが「年収倍率」と「返済負担率」です。

  • 年収倍率:年収の何倍まで借り入れできるかを示す指標。一般的に5倍~7倍が目安とされています。例えば、年収600万円なら3,000万円~4,200万円が借入額の目安となります。
  • 返済負担率:年収に占める年間のローン返済額の割合。金融機関の審査基準は30%~35%程度ですが、これは上限値です。家計に無理のない理想的な返済負担率は、手取り年収の20%~25%以内とされています。

重要なのは、審査に通る上限額である「借りられる額」ではなく、自分たちのライフスタイルを維持しながら余裕を持って返済できる「返せる額」を基準にすることです。

特に返済負担率は、税金や社会保険料が引かれる前の「額面年収」で計算されることが多いため、実際に使える「手取り年収」で計算し直してみることが大切です。

例えば、年収600万円(手取り約450万円)の場合、返済負担率を25%とすると、年間の返済額は450万円×25%=約112.5万円、月々の返済額は約9.4万円が上限の目安となります。

金利タイプの選択

住宅ローンには、主に3つの金利タイプがあります。

それぞれの特徴を理解し、自分の考え方や将来設計に合ったものを選びましょう。

  1. 変動金利型:市場金利の変動に合わせて、半年ごとに金利が見直されます。一般的に固定金利よりも金利が低く設定されているため、当初の返済額を抑えられますが、将来金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。
  2. 全期間固定金利型:借入期間中、金利が一切変わらないタイプ。フラット35が代表的です。金利は変動型より高めですが、返済額が確定しているため、長期的な資金計画が立てやすいという安心感があります。
  3. 固定金利期間選択型:3年、5年、10年など、一定期間は金利が固定され、期間終了後に変動金利にするか、再度固定金利にするかを選べるタイプです。

低金利が続く現在は変動金利を選ぶ人が多いですが、金利上昇リスクをどこまで許容できるか、ライフプラン(子どもの教育費がかかる時期など)と照らし合わせて慎重に選ぶ必要があります。

シミュレーションの重要性

住宅ローン計画を立てる上で、シミュレーションは必須です。

金融機関のウェブサイトなどにあるシミュレーションツールを使えば、借入希望額、返済期間、金利を入力するだけで、月々の返済額や総返済額を簡単に計算できます。

変動金利を選ぶ場合は、現在の金利だけでなく、金利が1%、2%上昇した場合の返済額もシミュレーションしておきましょう。

将来の金利上昇にも耐えられるかを確認しておくことが、破綻しないための重要なリスク管理となります。

また、返済期間を短くすれば総利息額は減りますが、月々の返済額は増えます。

無理のない返済を続けるためには、現在の家計状況だけでなく、将来の収入の変動や教育費、老後資金なども含めた長期的な視点で、最適な借入額と返済プランを見つけ出すことが大切です。

依頼先で比較!ハウスメーカーの特徴

家を建てる際のパートナーとなる依頼先選びは、費用だけでなく、家の品質やデザイン、住み心地まで左右する重要な選択です。

依頼先は、主に「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」の3つに大別されます。

それぞれに特徴や得意分野、価格帯が異なるため、自分たちの家づくりに何を求めるかを明確にした上で、最適な依頼先を見つけることが成功の鍵となります。

ハウスメーカー

全国的に事業を展開する大手住宅会社です。

テレビCMなどで知名度が高く、住宅展示場にモデルハウスを持っていることが多いのが特徴です。

  • メリット:品質が安定しており、工期が比較的短い。独自の技術やブランド力がある。倒産リスクが低く、アフターサービスや保証が充実している。住宅ローンの手続きなども含め、サポート体制が整っている。
  • デメリット:広告宣伝費や研究開発費が価格に反映されるため、工務店に比べて坪単価は高めになる傾向がある。仕様やプランがある程度規格化されており、設計の自由度はやや低い場合がある。
  • 価格帯の目安(坪単価):ローコスト系で40万円~70万円、中堅~大手で70万円~120万円以上と幅広い。

ブランドの安心感や充実した保証、最新の設備を求める人、家づくりにあまり時間をかけられない人に向いています。

工務店

地域に密着して事業を行う建設会社です。

規模は大小さまざまで、ハウスメーカーの下請けを主に行う会社から、自社で設計・施工まで一貫して手掛ける会社まで多岐にわたります。

  • メリット:ハウスメーカーに比べて広告宣伝費などがかからないため、同じ仕様であれば比較的安く建てられることが多い。地域の気候や風土を理解した家づくりが得意。設計の自由度が高く、施主の細かい要望にも柔軟に対応してくれる。
  • デメリット:会社によって技術力やデザイン力に差が大きい。経営規模が小さいため、倒産のリスクや保証体制に不安が残る場合もある。モデルハウスがないことが多く、完成イメージを掴みにくいことがある。
  • 価格帯の目安(坪単価):50万円~90万円程度。

コストを抑えつつ、地域に根差した家づくりや、こだわりのデザインを実現したい人に向いています。

会社ごとの特色をしっかり見極めることが重要です。

設計事務所

建築士が施主の要望をヒアリングし、オーダーメイドで住宅を設計する専門家です。

施工は別の工務店が行い、設計事務所は工事が設計図通りに進んでいるかを監理します。

  • メリット:設計の自由度が最も高く、唯一無二の独創的なデザインを実現できる。建材や設備などを自由に選べる。施主の代理人として、施工会社を厳しくチェックしてくれる。
  • デメリット:設計料(一般的に工事費の10%~15%程度)が別途必要になるため、総額は高くなる傾向がある。設計から完成までの期間が長くなることが多い。建築家との相性が非常に重要になる。
  • 価格帯の目安(坪単価):設計料を含めると80万円以上になることが多い。

デザインに徹底的にこだわりたい人、狭小地や変形地など難しい条件の土地に家を建てる場合に強みを発揮します。

どの依頼先が良い・悪いということはありません。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分たちの予算や価値観に最も合うパートナーを選ぶことが大切です。

複数の会社から話を聞き、相見積もりを取って、提案内容や担当者の対応などを総合的に比較検討しましょう。

コストを安く抑えるための5つのポイント

家を建てる費用は、少しの工夫で数百万円単位の差が生まれることもあります。

もちろん、安全性や快適性を損なうような過度なコストカットは避けるべきですが、賢く費用を抑えるポイントを知っておくことで、予算内でより満足度の高い家づくりが可能になります。

ここでは、注文住宅のコストを安く抑えるための具体的な5つのポイントをご紹介します。

1. 建物の形状をシンプルにする

建物の形は、建築費用に大きく影響します。

最もコスト効率が良いのは、正方形や長方形といったシンプルな「総二階建て」の家です。

凹凸が多い複雑な形状の家は、壁の面積や角の部分が増えるため、材料費だけでなく、施工の手間(人件費)も余計にかかってしまいます。

同様に、屋根の形状もシンプルな「切妻屋根」や「片流れ屋根」にすると、複雑な形状の屋根に比べてコストを抑えることができます。

外観のデザイン性を追求すると費用は上がりがちですが、シンプルな形状でも外壁材の色や素材の組み合わせを工夫することで、おしゃれな外観にすることは十分に可能です。

2. 間取りを工夫して床面積を最適化する

当然ながら、家の延床面積が小さくなれば、それに比例して建築費用も安くなります。

本当に必要な部屋数や広さを家族でよく話し合い、無駄なスペースをなくすことがコストダウンにつながります。

例えば、廊下を極力なくしてリビングやホールと一体化させたり、使わない客間を設けずにリビングの一角に畳コーナーを作ったりといった工夫が考えられます。

また、子ども部屋は将来的に間仕切りできるように、最初は一つの大きな部屋として作っておくのも良い方法です。

収納も、各所に細かく設けるよりは、一か所にまとめたファミリークローゼットなどを作る方が、壁やドアの数が減り、コスト削減に効果的です。

3. 水回りの設備を集中させる

キッチン、浴室、洗面所、トイレといった水回りの設備は、できるだけ一か所に集中させて配置しましょう。

水回りが家のあちこちに分散していると、給排水管やガス管の配管が長くなり、その分の材料費と工事費がかさんでしまいます。

例えば、1階と2階で同じ位置にトイレを配置したり、キッチンと浴室を隣接させたりすることで、配管を短くシンプルにすることができ、コストを抑えるだけでなく、将来的なメンテナンスのしやすさにもつながります。

4. 設備のグレードや仕様を見直す

住宅設備や内装材は、グレードによって価格が大きく異なります。

すべての設備を最新・最高グレードにするのではなく、家族のライフスタイルに合わせて優先順位をつけ、「こだわりたい部分」と「コストを抑える部分」にメリハリをつけることが重要です。

例えば、毎日使うキッチンにはこだわるけれど、あまり使わない浴室のグレードは標準的なものにする、といった具合です。

また、フローリングや壁紙などの内装材も、LDKなど人目に付く場所は少し良いものを選び、寝室や子ども部屋はコストを抑えた標準品を選ぶといった選択も有効です。

造作家具は高価になりがちなので、既製品の家具で対応できる部分は、後から購入することも検討しましょう。

5. 外構工事は後から行うことも検討する

駐車場やフェンス、庭などの外構工事は、家を建てた後でも行うことができます。

建物の引き渡し時には、最低限必要な部分(駐車スペースの砂利敷きなど)だけを施工しておき、残りは生活しながら少しずつDIYで整備したり、予算に余裕ができてから専門業者に依頼したりするという方法もあります。

ただし、外構工事費を住宅ローンに含めたい場合は、建物の契約時に一緒に計画する必要があるため注意が必要です。

これらのポイントを参考に、ハウスメーカーや工務店の担当者と相談しながら、予算内で理想の家を実現するための最適な方法を見つけていきましょう。

まとめ:後悔しない家を建てる費用の考え方

ここまで、家を建てる費用の相場や内訳、資金計画の立て方、そしてコストを安く抑えるコツについて詳しく解説してきました。

人生で最も大きな買い物と言われる家づくりで後悔しないためには、目先の金額だけでなく、全体像を把握し、長期的な視点で計画を立てることが何よりも重要です。

まず、家を建てる費用は「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つで構成されていることを常に意識しましょう。

広告で目にする坪単価は、あくまで本体工事費の一部を示しているに過ぎません。

総額でいくらかかるのかを把握するためには、外構工事や税金、登記費用など、建物以外にかかる費用まで含めた詳細な見積もりを取得し、比較検討することが不可欠です。

資金計画においては、「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を基準に住宅ローンを組むことが鉄則です。

現在の年収だけでなく、将来のライフプランの変化(子どもの教育費、車の買い替え、老後資金など)も見据え、余裕を持った返済計画を立てましょう。

そのためには、自己資金を計画的に準備し、頭金として活用することで、ローンの総返済額を圧縮し、月々の負担を軽減することが有効です。

また、コストを抑えるための工夫は、設計段階から始まります。

建物の形状をシンプルにしたり、間取りを工夫して無駄なスペースをなくしたりすることで、建築費を大きく削減することが可能です。

設備や仕様についても、どこにお金をかけ、どこを節約するのか、家族で優先順位をしっかりと話し合うことが、満足度の高い家づくりにつながります。

家づくりは、情報収集が成功の鍵を握ります。

ハウスメーカーや工務店、設計事務所など、依頼先によって特徴や価格帯はさまざまです。

最初から一社に絞るのではなく、複数の会社から話を聞き、提案や見積もりを比較することで、自分たちに最適なパートナーを見つけることができます。

家を建てる費用は、決して安いものではありません。

だからこそ、一つ一つの項目を丁寧に確認し、納得のいくまで検討を重ねることが大切です。

この記事で得た知識を基に、賢い資金計画を立て、理想のマイホームを実現してください。

この記事のまとめ
  • 家を建てる費用の全国平均は約3,717万円(土地代含まず)
  • 費用は「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つで構成される
  • 本体工事費は総額の約7割を占め建物の基礎や構造にかかる費用
  • 別途工事費は外構や地盤改良など建物以外の工事で総額の約2割
  • 諸費用は税金や登記費用など現金で必要な費用で総額の約1割
  • 坪単価は計算基準が会社で異なり総額判断には使えない
  • 自己資金は総額の10%から20%を準備するのが理想
  • 諸費用分は現金で支払えるよう自己資金で確保することが重要
  • 住宅ローンは「返せる額」を基準に返済負担率25%以内で計画
  • 依頼先はハウスメーカーや工務店など特徴を理解して選ぶ
  • コストを抑えるには建物の形をシンプルにするのが効果的
  • 廊下を減らすなど間取りの工夫で床面積を最適化する
  • キッチンや浴室など水回りの設備は一か所に集中させる
  • 設備のグレードにメリハリをつけ優先順位を決める
  • 家づくりは総額で考え長期的な視点で資金計画を立てることが最も大切
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